日本の未婚率は、年々上昇しています。
その中には、恋愛感情や性的関係のある結婚ができないという方も少なくありません。
そのような方たちが、友情結婚という形で婚姻関係を結ぶことがあるのです。
しかし、友情結婚という言葉を聞いたことがない方も多く、まだ世間的にも認知度は高くありません。
では、友情結婚って一体どのようなことなのでしょうか?
ここでは、友情結婚の定義やどのような方が希望しているのか、どんな結婚スタイルなのか等を詳しく解説していきます。
友情結婚とは・・・
友情結婚とは、恋愛による婚姻関係を考えることが困難な人同士が、性愛関係なく婚姻関係を結ぶこと。
異性に対して、恋愛関係や性的関係を持てない、持ちたくないといった方たちが、お互いの利害の一致、考え方の一致で成り立つ関係です。
性愛関係はないけど、友情もしくは、友情以上の家族愛でwin-winの関係を築いていると言えるでしょう。
友情結婚の活動人数はどれくらい?
友情結婚の活動人口は、LGBT人口の中で4人に1人。
日本人口の1%である、約120万人位だと言われています。
数字に表すと極わずかですが、人数で見ると少なくない感じの印象。
同性愛者も含めて、さまざまな恋愛や結婚の形がメディアでも取り上げられています。
昔のような偏見なども少なくなってきていることは、とても良いことだと言えるでしょう。
友情結婚の婚前契約書
友情結婚では、性行為をお互いしないことを合意納得した上で結婚します。
その事を記した婚前契約書を作成し、公正証書役場などで認証してもらい、法的効果を持たせます。
万が一、契約に反したことが起きた場合は、法律が適用されるので、結婚する時のリスクはかなり減るでしょう。
性行為以外にも、結婚する上での取り決めを婚前契約書に記すことは可能です。
偽装結婚とは違うの?
性愛のない結婚なんて、偽装結婚と同じだと考える方も少なくないでしょう。
偽装結婚は、結婚して夫婦になる意思もないのに、婚姻届を提出して、戸籍上のみの夫婦という形を手に入れること。
逆に、友情結婚はお互いにLGBTであっても、それを認識、許容し合って、夫婦になることを条件に合意の元で結婚しています。
形だけや名前だけの夫婦である偽装結婚と、友情結婚では全く異なるものなのです。
友情結婚を選択する理由とは
どうして友情結婚を選択するのかは、人それぞれ考え方や理念が違うため、定義は存在しません。
しかし、友情結婚を希望する人の多くは、現状に不安を抱いて生きている人がほとんどです。
例えば、
- 生涯のパートナーが欲しい
- 家庭が持ちたい
- 子供が欲しい
- 親を安心させたい など
異性に対して性愛関係を持つことはできないけど、上記のような理由で結婚したいと考える方は多いのです。
しかし、友情結婚を希望する方たちに対して、偏見も未だに多く、拒絶して傷つける方も中にもいるでしょう。
ですが、幸せの形は人それぞれなので、自分たちが幸せかどうかが一番大切です。
婚活はなんのために?なぜするの?と悩んだら結婚したい理由を考えよう友情結婚を希望する人のタイプ
では、一体どのような方たちが、友情結婚を希望しているのでしょうか?
LGBTなどの人が思い浮かびますが、そういった方だけではありません。
友情結婚を希望している人の中には、さまざまなタイプの方がいるので、詳しく見ていくことにしましょう。
パートナーのいないゲイ・レズビアン
異性に対して、性愛感情が沸きません。
しかし、同性の相手とも生涯を共に生きるイメージができないので、老後の為にも異性のパートナーが欲しいという方が多いです。
また、ゲイやレズビアンである事を理解して、子供を作ることに対して協力し合える相手が欲しいという方が希望しています。
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性愛の対象となる、同性のパートナーがいます。
そのパートナーと生涯を歩んでいきたいと考えていますが、その相手との子供は望めません。
なので、自分たちの関係を理解して、一緒に子供を作って協力してくれる相手を探しています。
この場合、偽装結婚と1番間違われやすいケースだと言えるでしょう。
バイセクシャル
同性でも異性でも、性愛関係は持つことができます。
異性と結婚することはできますが、自分のセクシャリティを理解してくれる人とパートナーになりたいと考えているパターン。
子供が欲しい方も多いでしょう。
▼ バイセクシャルについてはこちら
バイセクシャルとは?バイセクシャルの意味や特徴、診断方法も紹介!
Aセクシャル
Aセクシャルって何?と思う方が多いでしょう。
あまり聞き慣れない言葉ですが、異性にも同性にも恋愛感情や性的欲求を抱かない無性愛だと言われています。
単純に、生涯のパートナー探しという方がほとんど。
欲求の度合いにもよりますが、人類の1%の人が、Aセクシャルに当てはまるそうです。
▼ アセクシャルについてはこちら
アセクシャル(無性愛者)ってどんな人?特徴やAセクの診断方法も解説
ノンセクシャル
同性や異性に対して、恋愛感情は抱くけど、性的欲求がありません。
性的関係に抵抗があるので、お付き合いしても理解されない場合が多いのです。
自分のセクシャリティを理解してくれる方と結婚したいと考えているでしょう。
ストレート(性忌避症)
ストレートは、性的行為自体に嫌悪感を抱く人があてはまります。
異性や同性間のスキンシップや、性的関係を本能的に拒絶。
しかし、結婚はしたいという方たちです。
このように、さまざまなタイプの方たちが友情結婚を希望しています。
その背景には、やはり社会的に夫婦というステータスを手に入れるためにと考えている方も多いのでしょう。
友情結婚の結婚スタイルについて
単にパートナーが欲しいというだけで、友情結婚を選択する方もいますが、子供が欲しいという方も多くいます。
友情結婚は、どんな結婚スタイルになるのでしょうか。
実は、大きく4つのスタイルに分けられると言われています。
同居で子供あり | 「子供が欲しい」から友情結婚し、子供に恵まれた。 |
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同居で子供なし | 子供以外の理由で結婚するスタイル。妊活して授からない場合も。 |
別居で子供あり | 「子供が欲しい」から結婚し、子供に恵まれたけど、どちらかに同性のパートナーがいる場合。結婚した相手とは同居しないけど、子育てを協力する関係。 |
別居で子供なし | 親のため、子供以外の理由で結婚したけど、同居せずに良い距離感を持ってパートナーが欲しいという夫婦。別居婚だけど、すぐ通える距離に住んでいる場合が多い。 |
子供はどうするの?
友情結婚を選択する方の多くの理由が、子供が欲しいからというもの。
しかし、子供に関しては、自分たちだけの問題ではありません。
お互いが子供を望んでいる場合は良いですが、どちらか一方があまり積極的でない場合は、結論が出ない場合が多いでしょう。
また、子供を望んでいても、不妊に悩む方も増えています。
そういった場合は、妊活や不妊治療に関してもきちんと話し合いが必要。
また、結婚してから、子供が授かれないことがわかったという場合も少なくありません。
子供が欲しいからという理由で結婚した場合、離婚問題にも繋がるので、事前に検査する方が良いかもしれませんね。
また、将来的に子供自身に「友情結婚」のことを話すべきなのか、そういったことも考える必要があるでしょう。
未婚で独身だけど子供が欲しい!アラフォー女性が増えている理由とは?友情結婚の成功するケースと失敗するケース
一般的な結婚でも離婚があるように、友情結婚でも成功する場合と失敗する場合があります。
そこで、友情結婚での成功するケースと失敗するケースについて、詳しくまとめました。
成功するケース
やはり、事前にきちんと細かくルールを話し合って、納得した上で結婚することが重要。
価値観や性に対しての考え方が一致したからといって、結婚生活がうまくいくわけではありません。
具体的には、次のようなルールをきちんと決めておきましょう。
- 子供はどうするか?
- 貯金額や金銭感覚
- 家賃などの生活費の支払い分担
- お互いの恋人について
- お互いの親族との付き合い など
やはり結婚して夫婦になるので、お金や子供のことは重要な問題です。
また、お互いの恋人についても、きちんと話しておくことが必要。
しかし、ルールを決めたからといって上手くいくとは限りません。
友情結婚が成功しているケースを見ると、「交際期間」をきちんと設けた後、結婚した場合が多いです。
この先一緒に人生を過ごすわけですから、お互いに本当にこの人でいいのか、確かめ合う時間があった方が良いでしょう。
失敗するケース
友情結婚で失敗するケースの多くは、ルールをきちんと決めていない項目があったことが原因。
その中でも、相手の恋人との付き合い方でのトラブルも多いようです。
条件も相性も良さそうだから結婚したけど、相手が恋人を頻繁に連れてくることが嫌になったなど。
また、お金や家事に関するトラブルも多く、
- 毎月決まった金額を入れなくなった
- 家事分担をやらなくなった
- 共働きなのに自分の方が負担が大きい など
どちらかに不満がたまって、離婚に繋がってしまうのでしょう。
婚活に成功する秘訣とコツ!失敗する人との違いは?【成功と失敗例の体験談】友情結婚専門の結婚相談所がある!
友情結婚をする方たちの為に、専門の結婚相談所も存在します。
友情結婚相談所カラーズは、友情結婚・共生婚・契約結婚など、恋愛ではない結婚を専門としている結婚相談所です。
カラーズは仲人型結婚相談所になりますが、友情結婚を取り扱っていない他の結婚相談所と流れはほぼ同じ。
お見合い→仮交際→本交際→成婚という流れになります。
LGBTの婚活だからといって特別なことはなく、気になる相手と交際し入籍するのが目的なので、普通の婚活と同じでしょう。
しかし、本人のセクシャリティを理解してくれる方は数少なく、成婚までのステップアップまでは非常に難しいです。
その分、成婚までにかかる費用は比較的安めですが、成婚料がかなり高くなるので、そこは理解が必要でしょう。
まとめ
結婚の選択肢の1つとして、友情結婚も考えられます。
しかし、実際に友情結婚希望者の中でも、さまざまなタイプがあり、価値観も違うでしょう。
そのような自分のセクシャリティな部分を理解してくれる相手を見つけて、友情結婚することは簡単ではありません。
また、友情結婚を希望している多くの方が、不安や罪悪感を抱いているでしょう。
しかし、日本では同性婚を認める場所ができるなど、セクシャリティへの関心理解度は高まっています。
社会的な立場や、家族からの圧力などに負けず、自分自身の人生を自分らしく生きていける選択をしましょう。
最近では、友情結婚を専門とした結婚相談所なども存在しているので、ぜひ婚活に活用してみてください。
友情結婚へのサポートも手厚いので、素敵なパートナーと出会える可能性も高いでしょう。
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