女性が離婚をして再婚するまでは、国が定める法律「再婚禁止期間」を守らなければいけません。
ですから、離婚後に好きな人ができて「再婚できる!」「幸せをすぐにゲット!」という流れにはならないのですね。
しかも、この再婚禁止期間は男性には無関係で、女性だけに課せられるものですから、
先進国である日本としては、「男女不平等ではないか!?」と不平を訴える女性もいるわけです。
では、あまり聞きなれない再婚禁止期間とはどのような目的、内容で定められてきたのでしょうか。
2016年の法改正前後を比較しながら、説明していきますね。
再婚禁止期間とは
再婚禁止期間とは、女性が離婚してから再婚するまでのスパンを、ある一定の期間空けなければならない決まりです。
2016年の法改正により、内容が変わったため旧内容と新内容を比較しながらまとめてみます。
目的
再婚禁止期間の目的は、離婚時に子供を懐妊している場合「前夫の子なのか、新しい夫の子供なのか」を見定める事を目的としています。
旧内容:民法改正前
- 女性は離婚したら、180日をあけなければ結婚できない
- 妊娠できない身体状態であれば、医師の診断書提出でこの法は適用されない
新内容:民法改正後
- 女性は離婚したら、再婚まで100日あけなければならない
- 妊娠していないという医師の診断書を提出すれば、すぐにでも再婚できる
- 旧内容同様、妊娠できない身体状態であれば、医師の診断書提出でこの法は適用されない
妊娠していないという医師の証明があれば100日を待たずとも再婚できる
新たな再婚禁止期間が施行され、180日から100日間に短縮されましたが、
「妊娠していないのか確実だから、もっと早く再婚できないのか?」と思う人もいる事でしょう。
そうした、再婚を急ぐ場合は、産婦人科医の診断書に婚姻届を添えて役所に提出すれば、再婚後すぐにでも再婚可能になります。
この時、注意したいのは、後々のトラブル防止のため、産婦人科医には正確な離婚日を伝える必要があります。
女性の中には、「一刻も早く新しいお相手と結婚しなければ、彼に逃げられてしまうかもしれない…」と焦りを感じる女性もいる事から、こうした新しい制度に期待を持つ女性も少なくはないのです。
再婚禁止期間の例外が認められるケースもあり!
法務省は、今までも以下のような境遇にある女性の再婚については、再婚禁止期間にかかわらず、再婚を認めています。
- 高齢再婚(閉経している可能性も高いため)
- 妊娠できない体である(卵巣・子宮などの摘出により)
- 夫が3年前から失踪、音信不通状態
- 元夫と再婚
再婚禁止期間を守らない場合…
再婚禁止期間を無視して再婚してしまっても、罰が課せられるわけではありません。
ですが、生まれてくる子供の父親を裁判所に決定されてしまう事になるでしょう。
再婚禁止期間は時代にそぐわない!という多数の意見も
そもそも、再婚禁止期間が設けられた時代は、明治時代にさかのぼります。
この時代は、離婚をするケースも少なく、今とは比べものにならないほど医学や科学が進展していませんでした。
ですから、こうした期間を設けることで、だいたいの妊娠期間や男親の目星をつけていたのですね。
そうした法律が時代がかなり経過した今も存在していたわけですから、何らかの見直しや改正が行われるのは当然の流れですね。
DNA検査が発展している
最近、週刊誌やマスコミなどを騒がせている“不倫”肉体関係に発展すれば、夫の子供でない可能性も高くなるでしょう。
男女関係は時代とともに複雑化していきますよね。
そんな時に、「自分の子供なのかはっきりさせたい…」という思いからDNA鑑定を依頼するケースもあります。
これにより、かなりの高確率で親子関係が明確になりました。
民事裁判などの重要な証拠としても活用されます。
このような科学技術の発展から、再婚禁止期間の意味が薄らいできているのは事実でしょう。
女性からすれば不平等な法律?
再婚禁止期間は、女性だけに課せられるものです。
いくら、法律が改正されても、100日間は再婚できませんし、例外が認められたとしても、医師の診断書などを提出するなどの手間暇もかかるでしょう。
ちなみに、男性が離婚から再婚するまでの期間を定める法律は存在しないのです。
これでは、「男女不平等ではないか?」という意見を持つ人もいますね。
ちなみに、先進国であるアメリカやイギリスでは、こうした再婚禁止期間を設けてはいません。
ですが、アメリカでは離婚の条件として一年以内の別居が義務付けられています。
いずれにしても、子供が誰の子供なのかを明確にするという目的は共通していますね。
再婚禁止期間は子供のためのもの
いっけん、再婚禁止期間は「離婚や再婚する大人のための法律!?」と勘違いしている人達もいます。
ですが、再婚禁止期間はあくまでも、生まれてくる子供のためだという事を忘れてはいけませんね。
大事な我が子に「誰が父親かわからない…」という不憫な思いをさせないためにも、再婚禁止期間は侮れないものなのです。
離婚から再婚するまでの期間は短いほど不利になるケースも
再婚禁止期間が改正され、離婚時に妊娠していなければ、すぐにでも再婚可能になりました。
ですが、離婚後すぐに再婚を急ぐのはあまり好ましい行為ではありません。
その理由は次のようなものです。
世間は厳しい眼差しで見ている
再婚禁止期間が短くなれば、女性にとっては
「早く新しい彼と再婚して、今度こそ幸せになれる!」と思うでしょう。
ですが、離婚してすぐに再婚してしまうと、世間は厳しい眼差しで見る事が多いです。
人によっては、「離婚する前からお付き合いしていたんじゃないの?」「実は不倫だったんじゃないの?」と思われてしまうでしょう。
まだまだ不倫に対して厳しい目が向けられますから、離婚してすぐの再婚は心証が悪いと言っても過言ではありません。
なるべくならば、離婚後は少し期間をあけてから再婚する方が周りの理解や祝福も得やすいでしょう。
裁判で慰謝料を課せられることも
離婚してすぐの再婚をした場合、不倫が疑われるなどし、不利な立場となり慰謝料を請求されるケースもあります。
いくら、再婚禁止期間が緩やかになったからと言って、気を早める事は控えましょう。
まとめ
離婚と再婚はとてもエネルギーを消費します。
それだけでも、心労が募るのに、女性にはさらに再婚禁止期間が設けられているのですね。
男女不平という意見も多く、法改正後はかなり不平等解消傾向にあります。
ですが、生まれてくる子の幸せや、養育費などのトラブル回避を考えれば、再婚禁止期間という法は、軽視してはいけない法律だという事が理解できましたよね。
これからも、遺伝子検査などの技術が向上すれば、再婚禁止期間はさらなる改正が求められるでしょう。
いずれにしても、こうした法律は、大人のためのものでなく、生まれてくる子のためのものという大切な事を忘れないでくださいね。
また、再婚禁止期間が緩やかになったとはいっても、離婚後すぐに再婚という流れになるのは、周りからの祝福を得られにくいため控えたいものです。
どうせ、再婚するならば、みんなに祝福されて結婚したいものですよね。
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